さかづきBrewing
さかづきBrewing
立 地 : 北千住(西口)徒歩5分
業 態 : ビール醸造所・レストラン
住 所 : 足立区千住1-20-11
営 業 : 平 日 16:00~22:30
土 曜 13:00~22:30
日・祝 13:00~21:00
定 休:月曜、火曜
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飯島
2店舗目の出店おめでとうございます!
金山様には初めてのお店(1号店)を計画されている頃よりお声がけいただいておりました。
ようやく良いご縁があり、出店のお手伝いができたことを嬉しく思います。
いやー今回の一大プロジェクト、ホントに完成しちゃいましたね!
金山様
ありがとうございます。希望にぴったりの大きさや立地のところをご紹介いただいて本当に良いご縁だったと思います。
飯島
金山様は独立される前、大手ビールメーカ―A社で働いていらしたとお聞きしましたがどのようなお仕事をされていたのですか?
金山様
完全に技術部門での勤務でした。大学卒業後、新卒で入社して以来、ずっと醸造に関わる製造や研究室の仕事をしていました。
飯島
技術的な基礎を大手でしっかりと学んでビール醸造家として独立された訳ですね。
このところクラフトビールをウリにしたお店も多くなりましたが、
クラフトビールって、大手メーカーの代表的な銘柄ではない、味や香りが個性的、マイナーな醸造所でつくっている等々、
とても曖昧なイメージがあります。
ドラフトビールや発泡酒など製造方法や原料の違いで区分けされていると分かり易いのですが、
そもそもクラフトビールは定義があるのでしょうか?
金山様
そのイメージは大きく違っていないと思います。
例えばアメリカなどでは規模や製造数量、インディペンデントであるなどの明確な基準があるのですが、
日本では、仰る通りまだ厳密な基準や定義がなく、よくディスカッションの的になります。
私は「つくりてが見える」、「つくりての意図を感じる」、ものだと解釈しています。
飯島
本当に曖昧なモノなのですね。ただ金山様が言うと深みというか、説得力がありますね。
国や種類によって味の違いやトレンドは異なるのでしょうか?
金山様
クラフトビールは、地域や国、文化によって、かなり味は異なります。
ヨーロッパでは昔からビール文化があったので、伝統的な言わば保守的な味わいが多いですね。
後発のアメリカでは、醸造方法はヨーロッパから伝わりましたが、アメリカ人の好みに合わせ、アレンジされ個性を際立たせたクラフトビールが多いです。
飯島
そんな個性的なクラフトビールですが、さかづきBrewingのビールはどのようなものでしょうか?
金山様
私はヨーロッパ系のクラシカルなビールが好みですが、日本はアメリカからのクラフトビール文化を受け継いでいるところが多いので、どちらの味も楽しめるビールづくりをしています。
いま提供しているタップ(ビールの種類)は、6~7種類くらいですが、頻繁に銘柄を変えられるところも小規模な醸造所でつくるクラフトビールの良さだと思います。
飯島
今回の2号店は、3階建の元々は住居物件でしたが、鉄骨造の建物を1棟まるっと改装されました。
個人の独立店でこの規模の建物を借り切って全面改装されるのは大胆な挑戦です。
工事を始めてすぐにコロナ禍が始まり、状況は最悪だったかと思います。
施工中にも幾度かご相談やお話しを伺いましたが、特に苦労された点はどんなところですか?
金山様
まずコロナ禍による、工事費の増加は厳しく、資金繰りに国の施策や助成金なども使い苦慮しました。
また海外に醸造設備を発注していたのですが組上がっても部品が輸入できなかったり、予定していた外国人技術者も入国できず、急遽国内の技術者を手配するなど工期も伸びてしまいました。
施工面でも想定外のことは多々あり、なんとかオープンまでたどり着いたという感じです。
飯島
確かに工期が8~9ヶ月を要して、オープンが決まったとお聞きしたときは、私たち山ハウスタッフ全員とても安堵しました。
飯島
1階は醸造所(工場)とビールの販売スペース、2階はビアレストランですよね。
1階の販売スペースは特殊な容器などを販売するのですか?
金山様
1階のタップルームはその場で、専用の1L缶に詰めて販売いたします。耐圧容器(水筒)を持参される方は重量で量り売りもいたします。
スタンディングですが、タップをその場で楽しんでいただくカウンターもあります。
飯島
2階のビアレストランはスタッフも多いですね。ランチも営業されるのですか?
金山様
北千住は13時頃から夕方までかなり来店が多いので、平日は16時からですが、土日のみ13時から営業します。
この店舗は1店目に比べ規模も大きくなったので、スタッフのコロナ禍の中でリクルーティングにも苦労しました。
レストランフロアのみで常時10名ほどのスタッフがいます。
飯島
今回の出店も北千住ですが、特別なこだわりなどありますか?
金山様
北千住は1号店から上手く馴染めたところと、目指すカタチを実現できる場所だからです。
私の目指しているスタイルは、都市型breweryですが、醸造所は同じ場所におきたいというこだわりがあります。
都心のクラフトビールを提供するお店の多くは、ローカルにしっかりとした醸造所をつくり、直営店へ運んで提供する形態です。
これでは面白みがないというか、やはり醸造しているところを眺めながらビールを嗜むことに拘りがありました。
都心部では、醸造所をつくるスペースを採算的に確保できないため、北千住は繁華街からも離れずこれだけの規模で運営ができるバランスのよい場所ということが主な理由です。
◆ before
◆ after
飯島
金山様の1号店が足立区で初めての醸造所、大手メーカー出身の女性醸造家、当時では先進的だったクラウドファンディングなども駆使され、とても話題になっていたのを覚えています。
広い足立区に醸造所が1つも無かったのは驚きでしたが、ここが足立区醸造所2号ということですよね。
1号店と比べると、取り分け醸造設備が大型化していますが、どちらも醸造所+レストランです。コンセプトの違いなどはありますか?
金山様
ここは主にレギュラービールを醸造するメインbreweryになります。1号店は、少量生産でクセの強いモノや実験的なビールをつくったりしたいと考えています。
また、これまでも引き合いが多かったのですが、他のレストランから注文を請け、醸造するOEMなども考えています。
例えば10kgだけ桃のビールが欲しいと言われたときに、これまでは対応が難しかったこともできるようになると構想しています。
飯島
これまでよりもbreweryとしてさらに本格派になりつつ、バリエーションも多彩になりますね。
金山様のバイタリティと前向きさ、行動力には、お話しを伺う度に私も力を貰って、数日間は頑張れます(笑)
そんなさらに進化したさかづきBrewingですが、お店の強み、特徴はどんなところですか?
金山様
ビールに限って言えば、完全なオリジナルレシピです。他の販売店やお店に提供もしないので、ここでしか飲めないビールを楽しんでいただけます。
それとレシピの幅が広いことが特徴です。
飯島
確かに以前より、さかづきBrewingのビールは、バリエーションが豊富ということを幾度か記事でお見かけして定評がありました。
レシピの幅というのは具体的にはどういうことですか?
金山様
現状でも300以上のオリジナルレシピがあります。
お菓子や季節の果物のビール、他種のお酒からアレンジしたものなどもあります。
もう一つの特徴は、料理へのこだわりです。
やはりビールっておいしい料理と楽しみたいじゃないですか。
都内の個人経営されているbreweryでシェフのいるお店はとても少ないと思います。
以前からビールは美味しいのに料理が物足りないなと感じていました。
なので独立のときから、私の店ではきちんとしたシェフが調理したものを提供することに拘っています。
飯島
ああ確かにbreweryのおつまみって、殆どが乾きモノや、フィッシュアンドチップスくらいって感じがします。
金山様
1号店を出店したばかりのころは、breweryなので、男性のお客様が多かったのですが、徐々に女性の割合が高くなってきて、今は4割くらいが女性です。
飯島
金山様のお店はbreweryなのにお昼から女性客がとても多いのは、お店の明るい雰囲気と料理の美味しさが大きいようですね。
内装はどのようなコンセプトでしょうか?
金山様
スケルトン(何もない状態)から作り上げたので全て新しいのですが、2階のレストランフロアは、カップルやお子様連れのファミリー、様ざまな年齢層の方が来るので、
天井高と採光を生かして、全体的に光を多く取り込む明るい雰囲気にしました。
椅子やドア、小物類はアンティークを多く使い、デイリーユースするようなカジュアル感に拘りました。
飯島
このレストランは明るく開放的で特に女性とおしゃれな若い方が好みそうな、ビアレストランというよりは、おしゃれなカフェという感じですね。
金山様
1階は醸造所が見える立ち飲みスペースなので、インダストリーで無機質な大人向きデザインで、全くコンセプトを変えた空間です。
飯島
何と言ってもこの醸造フロアの大型タンク群の迫力ときたら、、
北千住の路地裏に突然現れるインパクトのある工場、2階へ上がるとおしゃれで美味しいレストラン。
とても魅力的なお店の出店ありがとうございました。