Cabana
飯島(山崎ハウジング)
おしゃれなスペインバル、オープンおめでとうございます。
落ち着いた、いいお店ですね。まずは屋号のCabana(カバナ)について伺いたいと思います。
佐藤様(Cabana)
店の名前は始めから決めていた訳ではありませんでした。
この内装は殆ど全て自分でつくったのですが、壁や天井を解体してみたら、きれいな梁や柱が出てきました。
元々この建物のもっていた素材を生かした内装を考えたところログハウスのような感じだったので、スペイン語のコテージや山小屋を意味するのCabana(カバナ、スペイン語のカヴァーニャ)にしました。
飯島(山崎ハウジング)
とても温かみがあり、それでいてチープでなく良い内装ですね。飲食店を開業されたきっかけは何ですか?
佐藤様(Cabana)
「食」が好きで、自分なりにこだわりがあってよく外食をしているのですが、お店では納得のいくようなモノを置いている店は少ないと思っていました。生ハムも、好きでよく食べるのですが、自分の家で丸ごと1本買いして置いていたりしました。それで自分の拘った、好きなものを提供できるお店をつくろうと思ったのがきっかけです。そこへ来られたお客様が新たな発見をできたりワクワクを共有出来たらなと思っています。
飯島(山崎ハウジング)
では北千住を選ばれ、また千住では数少ないスペインバルを出店されたのは何故でしょうか。
佐藤様(Cabana)
色々な料理を食べてみましたが、イタリアンやフレンチよりも私はスペイン料理が好みです。もともと千住の出身で小学校4年生までは北千住にいました。引越後も高校までは足立区内でしたので地元のような感覚です。大学はアメリカのロサンゼルスで映画の勉強をしていました。映画が好きで、当時はどうしても映画監督になりたくて、大学卒業後は中国の北京で映画関係の仕事に6年ほど従事していました。
飯島(山崎ハウジング)
それは大きなチャレンジですね。映画監督を志してもアメリカの大学を選ばれてその後も海外で修行されるのは佐藤さんの情熱と行動力はすばらしいですね。
佐藤様(Cabana)
そのころはちょうど映画バブルもあり、中国では有名な監督の助監督をしていました。
飯島(山崎ハウジング)
その後、日本に戻られたのですか?
佐藤様(Cabana)
はい。戻った後は、4,5年ほど別の事業をしてから今回の出店となります。
飯島(山崎ハウジング)
出店で苦労されたとことは何ですか?
佐藤様(Cabana)
全てが初めての経験だったので一つも簡単なことは無かったのですが、施工も自分で行ったので大変でしたが、きちんとしたシェフを探すのが最も苦労しました。先ほどお話しした通り、納得のいく料理を提供したいと考えていましたので、、
飯島(山崎ハウジング)
シェフはどのような方ですか?
佐藤様(Cabana)
神楽坂にあるスペインバルで全国的にも有名なお店でシェフをしていた者です。
飯島(山崎ハウジング)
先日、当社でもお伺いして食べさせていただきましたが、生ハムの美味しさに驚きました。このお店のウリというか、お勧めは何でしょうか。
佐藤様(Cabana)
北千住は、下町の色が強く、洋食店でも何かしら和のテイストを入れて、少し居酒屋風にしているお店が多いと思います。Cabanaは、純粋なスペインバルの良さを提供することを目指してますので、ワインや瓶ビールも全てスペイン産をセレクトしています。生ハムは高級なベジョータ(100%どんぐりで育てた豚)というグレードで、最も長い48カ月熟成のモノを足ごと置いています。香りが豊かで脂身と赤身のバランスがとても良い生ハムです。
パエリアも調理時間を短縮するために予め調理したものからつくるお店が多いのですが、当店ではシェフのこだわりで、全て生米、生卵、生素材から調理をしますのでお出しするまで30分ほどかかりますが、その分、食感が良いです。火加減も本場のスペインと同様に少し芯を残した食感で提供します。これは食べ慣れない方には少し違和感があって、先日は「芯が残ってる!」というクレームを頂いてしまいました(苦笑)
デザートもチーズケーキやシャーベットも全て手作りで、海鮮も毎日新鮮な食材のみをつかい、冷凍は基本的に使わないのがこだわりです。ソースもフレッシュなブルーベリー、ラズベリーを使用してカモのベリーソースをつくります。
飯島(山崎ハウジング)
他にサービス面等で気を付けていることございますか?
佐藤様(Cabana)
お客さまとのコミュニケーション、距離感に気を付けています。一見のお客様でもあまりよそよそしくなく、親しい先輩が訪ねてきたような接客を心がけています。一人で来られた方でも寂しくならないようにカウンターを用意していますのでお気軽に来店してもらえたらと思います。
飯島(山崎ハウジング)
内装もすばらしく拘りが感じられますね。
私も多くの店舗の内装を見てきたのですが、この板張りの壁は独特ですね。
佐藤様(Cabana)
お店や建物のイメージにぴったりくるものはあまり売っていないので、殆どを自分たちでつくりました。椅子やテーブル、カウンター等、全て手作りです。
壁と天井は1枚ずつ全てに下地処理として金束子のホイールローラーで削って、凹凸を出した後、ワックス掛けをして仕上げたものです。これはとても時間がかかりましたが、経年劣化したような良い風合いに仕上がり、全体をみてもバランスのとれた内装をつくることができました。
(↓ 入口付近に設けられた開放感のある吹抜け)
飯島(山崎ハウジング)
客層はどのような方が多いですか?
佐藤様(Cabana)
それほど客単価の安いお店ではないので10代の方は少なく、20~30代の方がメインです。50代以上の方は、スペイン料理に詳しく好まれる方はまだまだ少ないみたいで、少しずつ良さ(美味しさ)を知ってもらえたらなと思います。
飯島(山崎ハウジング)
とてもスペイン料理に興味がもてました。
今度はゆっくり食事をしに伺いたいと思います。興味深いお話しありがとうございました